てんかんは脳波の検査で原因を見つける

検査を勧める医師

てんかんの検査で最も重要な検査は、脳波検査です。脳波は、脳の神経細胞が発するわずかな電流を波形として記録したものです。

てんかん発作が起きている時は脳が過剰に興奮しているので、それを捉えることができます。
正常な脳波は小さなさざ波のような波形ですが、発作の時は棘波(きょくは)と言って、棘(とげ)のようにとがった波や、少し幅の広い大きなとがった波(鋭波)が描かれます。
てんかんの時の脳波は、その波形だけではなく異常な波形の出方によって、脳のどの部分が過剰に興奮しているのかを、ある程度予測することができるので、発作型の判断に繋がります。
ただし、脳波はいつも同じ状態ではありません。そのため、数十分間程の一度限りの検査では異常をキャッチできないことも多々あります。
そこで、何度か繰り返してこの検査を行ったり、より感度を良くするために、ビデオ脳波同時撮影を行うこともあります。

ビデオ脳波同時撮影は、ビデオ撮影と脳波検査を同時に行う方法です。ビデオ撮影を行って、発作時の状況を捉え、同時にその時の脳波を記録することができます。
電極やコードが頭についてはいますが、家にいる時とほぼ同じようにして過ごしてもらいます。
寝ている時だけではなく、遊んでいる時や食事中もずっと脳の波形を記録するので、一般的な脳波検査よりもはるかに異常をとらえやすいという大きなメリットがあります。

しかし、発作や重積発作を起こす原因となる疾患は、てんかん以外にもあります。そのため、てんかんと他の疾患との鑑別をつけることが重要です。
鑑別診断のために、血液検査や尿検査、脳のCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)などの検査を受けることが必要です。
血液検査や尿検査では、特に有機酸や脂肪酸などの先天性代謝異常が原因ではないかを調べることが大切です。
CTやMRIは、てんかんの原因となっている脳の傷や腫瘍、脳の形成不全などがないかをチェックするために行います。

てんかんの検査はどのようにして行われる?

血液検査や尿検査は外来でも可能です。一般的な脳波は、頭に数か所電極を貼り付けます。そして静かにベッドの上に横たわった状態で測定します。
途中で音を出したり光を発したりして刺激を与えて、その時の脳波の状態を見たりもします。
小さなお子さんで、ベッドの上でじっと静かにしているのが難しい場合は、眠らせて検査を行うこともあります。

ビデオ脳波同時撮影(長時間ビデオ脳波モニタリング)は、病院に入院して行います。
最低でも一日は入院が必要になりますが、その時にまとめて脳のCTやMRI検査、採血や採尿などを行うこともできるので、一気に検査を済ませてしまうことができるというメリットもあります。

ビデオ脳波同時撮影は、どこの病院でも行える検査ではありませんが、非常に意義の大きな検査です。
この検査を行っている病院の一例では、子供のてんかんの場合、10畳ほどの部屋で2泊3日で入院します。
トイレに行く時以外はビデオカメラの下で、ゲームをしたり漫画を読んだりテレビを見たりお喋りをしたり、食事をしたりおやつを食べたりして、家に居る時とほぼ同じようにして過ごしてもらいます。
入院中に測定した脳波と撮影したビデオの画像を照らし合わせて、発作が起きた時の状況やどの程度の意識低下があったか、首の動きや目の動きはどんな感じだったか、などと細かく見て行きます。

外来で数十分間脳波を撮っただけでは見落としがちな小さな異変も、何日間も脳の波形を記録することで見つけ出すことができたケースも沢山あります。
また、静かにベッドで仰向けになっている時だけではなく、お喋りしたり遊んだり食べたりしている時の様子も判るので、これも一般的な脳波測定では見つかりにくい異変をキャッチできる大きな一因となっているのでしょう。
ビデオ脳波同時測定ができるお近くの病院は、てんかん診断ネットワークのホームページから見つけることができます。