てんかんは手術で治療することもあります

手術する医師

てんかんは、誰でも一度くらいは名前を聞いたことがある身近な病気です。
古くからてんかんの存在は知られていて、文献には、古代ローマ帝国の政治家で軍人でもあった、ユリウス・カエサルも発病したという記録が残っていました。
いつの時代でもてんかんについての記述があり、現在でも世界中で、てんかんについての研究がされています。

脳の神経細胞は、穏やかな調和をとりながら、規則正しいリズムで電気活動をおこなっています。
しかし何らかの要因によって電気活動に乱れが生じると、神経細胞に過剰な電気的興奮が起こり、痙攣や意識障害などを引き起こしてしまいます。
てんかんの原因は、生まれるときに大脳にキズがつくことによって起こる症候性てんかんや、遺伝が関係している特発性てんかんなどがありますが、原因が特定できないものも多くあります。

日本人のてんかんの有病率は約1%前後といわれ、患者数は日本全体でおよそ60万人から100万人とされています。
老若男女のどの年代でも発症する可能性があり、その発症のあらわれかたも原因も、個人個人によってさまざまです。
てんかん発作が起きても、通常は数秒から数分で次第に減退していき、最終的には完全に消失します。
しかし、発作が異常に長引き、意識が戻らないまま発作が反復する場合は、てんかん重積になっている状態で、そのままにしておくと命に危険がおよぶことがあります。
ですので、てんかん重積になっている場合には、すぐに救急車を呼んで、専門の医師に診察してもらいましょう。

てんかんを誘引する要因は個人差がありますが、一般的には疲れているときやストレスが溜まったとき、睡眠不足のときや緊張をしたり驚いたりしたとき、光のちらつきなどを目にしたときなどです。
とくに睡眠不足はてんかん発作を誘発しやすいといわれているので、日ごろから睡眠をしっかりと取って、疲労が溜まっていると感じたら無理をせず休むことが大切です。

てんかんを手術で治すのは最後の手段としましょう

てんかんは現在の医療であれば、ほとんどの人が薬物療法でコントロールできるとされ、普通に社会生活を営んでいます。
しかし約2割程度の人は、薬を飲んでも発作をコントロールすることができない難治性てんかんです。

薬物療法による治療で、てんかん発作をコントロールできない難治性てんかんの場合には、外科的な治療を視野にいれる必要性がでてくることがあります。
外科的治療は成功すると、発作が減退し患者さんの生活の質が大きく向上します。
しかし、手術にともなうリスクが存在しないというわけではありません。医師にとっても、てんかんの外科的手術の判断はとても難しく、高度の知識と経験が求められます。

手術成績はどの部位によるかでも異なり、成功率は部位によって、5割から8割ほどの開きがあります。
脳神経外科手術のリスクとして、頭蓋内出血や感染症などの合併症があげられますが、その発生頻度は5%前後です。
合併症はほとんどが一過性のものですが、合併症が重症の場合、片麻痺や言語障害などの後遺症が残ることがあります。
てんかんの外科的治療は、発作の改善のメリット、成功率や適応性、後遺症の有無などを総合的に判断して決めなければなりません。
ですので、外科的手術でてんかんを治療するのは、最終的な手段とするべきでしょう。

外科的手術によって完全に発作が消失するのは、患者さんのうちの約半分ほどです。
それ以外の患者さんは発作が減少し、薬物療法によるコントロールが可能になり、生活の質が向上することがほとんどになります。
ただし、手術をすればそれで治療が終わりというわけではなく、その後の経緯によっては、カウンセリングを継続していかなければなりません。