てんかんの原因や症状、対処法について

時折、自動車を運転中にてんかんの発作を起こし事故が発生したというニュースが流れます。
特に数年前に起きた、クレーン車が集団登校の児童の中に突っ込んだという大事故以来、てんかんを持つ人の自動車運転を禁止する会社や就職面接でてんかん持ちの人が不採用になるなどの事例も出ています。
てんかんは未だにほとんどの場合、原因が不明で根本治療となる特効薬が無く完治が困難な病気である事は事実ですが、実はてんかんを持つ人のほとんどは何の問題も無く社会生活を送っているのです。
つまり、てんかんは制御可能な病気であり、決してかかってしまったら諦めるしかない病気では無いのです。
適切な診察を受け適切な処方を受ければ大丈夫なのです。しかし、その為には正確な知識を知っておく必要があります。
まずはてんかんにかかるとどういう症状が出るのか見ていきましょう。

てんかんの症状について

てんかんにかかると特有の発作が起きます。
これがてんかんの主症状で色々な種類が有りますが、複数種類の症状が起きる事は無く必ず同じ症状が起きるのが特徴です。
症状は全般的な物と部分的な物の二種類に分けられ、全般発作は全身的な症状が出るのが特徴で更にいくつかの種類に分けられます。
部分発作は体の特定部分に症状が出るのが特徴で、これもいくつかの種類に分けられます。これらの症状が二回以上発生すると、てんかんと診断されます。

全般発作に分類される症状

欠神発作
意識消失が数秒間続き、その後回復します。 発作中は動作が止まった状態になります。
ミオクロニー発作
筋肉の一部が突然、収縮します。 短時間で収まりますが反復する事もあります。
強直発作
全身が硬直し意識を失います。 短時間で回復する事がほとんどです。
強直間代発作
まず全身硬直が起こり次に全身痙攣が暫く続き。 収まった後に意識を失います。
脱力発作
全身の力が瞬時に無くなり倒れてしまいます。 全身では無く頭だけ手足だけという事もありますし一時的な意識消失を伴う事もあります。

部分発作に分類される症状

単純部分発作
体の一部に症状が発生する物ですが筋肉だけでは無く自律神経や精神面に症状が出る場合もあります。 筋肉に発生する場合はけいれんが起こり、勝手に筋肉が収縮と弛緩を繰り返しガクガクとかピクピクという感覚の症状が数分間継続します。 発生する場所は一カ所で継続する事もあり移動する事もあります。 またけいれんを起こした場所が収まった後に一時的な麻痺が残る事もあります。自律神経に発生すると上腹部不快感、嘔気、嘔吐、発汗、立毛、頻脈、徐脈等が起こります。 精神面に発生すると既視感、未視感、恐怖感、離人感等が発生します。
複雑部分発作
必ず意識障害が伴います。 意識障害と言っても失神してしまう訳では無く自動症と言う意味の無い行動(舌なめずり、舌打ち、もぐもぐと口を動かす、ごくんと飲み込む、顔や身体をなでたり、こすったり、衣服をまさぐったり、手を揉む)を始め話しかけても応答しません。 比較的、短時間で収まる事が多いですが収まった後、本人にはその記憶が無いかあっても部分的にしか覚えていません。
二次性全般化発作
最初に部分発作が起こり続いて全般発作が発生する物です。 全般発作は強直間代発作である事が多く部分発作で精神面の症状が発生した場合はほとんどが、この二次性全般化発作に発展します。 このように厄介な症状を呈する、てんかんですが、かかったらどうすれば良いのかを次に御説明しましょう。

てんかんは完治する病気?

脳神経のイメージ ごく一部は完治する事もありますが、大部分は完治しません。
遺伝が原因で起こる事も有るのですが、遺伝による物は良性である事が多くほとんどが完治可能です。
しかし遺伝ではない場合は、まだ原因が完全に判明しておらず完治は出来ません。人間の脳は全て神経細胞という細胞で構成されています。

そして神経細胞は普段は規則正しいリズムで穏やかに調和を保ちつつ電気的に活動しているのです。
この穏やかなリズムを持った活動が突然崩れて、激しい電気的な乱れが発生すると、それがてんかんの発作という形になって表れてきてしまうのです。
この電気的な乱れはよく嵐に例えられますが、これがてんかん発作の発生する原因です。しかし、何故脳内にこのような電気嵐が起こるのかはまだ解明されていないのです。

てんかんの症状が人により異なるのは、この電気嵐の発生場所が人により異なるからです。そして、その嵐が発生した場所が司っている身体機能で異常が発生してしまうのです。
こういった電気嵐はてんかんでは無い人でも稀に起こる事が有ります。その場合でもやはり異常は発生します。けれども通常の場合は一回だけなのです。
ですので、この電気嵐が二回以上、同じ場所で発生してしまう場合をてんかんと定義しています。
てんかんにおける脳内の電気嵐は必ず同じ場所で発生するという性質を持っており、その結果として、てんかんの症状は人それぞれであり必ず同じ症状を呈するという結果になるのです。
なお遺伝が原因でない場合、症候性てんかんと特発性てんかんの二種類があります。
生まれたときに仮死状態であった、低酸素、脳炎、髄膜炎、脳出血、脳梗塞、脳外傷といった病歴が有る場合は、それらが原因となり、てんかんと診断される事があります。
これらのてんかんは症候性てんかんと呼ばれます。
しかし、そういった病歴が全く無く特に問題となる点も見当たらない場合、特発性てんかんと呼ばれ電気嵐が何故起きるのかは分かっていません。
そして、てんかんの患者さんの大部分が特発性てんかんに分類されます。
まだ根本原因は不明のてんかんですが、これからの研究で根本原因が解明される可能性もあります。
そうなれば根本治療薬が出来る可能性も出てきますが、現在でも対処法として発作を抑える事が出来る薬剤が開発され、広く使われており実績も十分にあります。
てんかんの発作を経験すると、やはり怖く感じますが、ちゃんとした治療を受け対処法を行なっていれば、てんかんは怖い病気では無いと言えるでしょう。
しかし逆にちゃんと対処しておかないと、死亡原因ともなりかねない病気なので早めの対処が必要です。

てんかんは死亡の直接的な原因になる?

事故画像 患者さんの死亡原因は発作が引き金となり事故になってしまった物が圧倒的に多いです。
自殺という例もありますが、発作が直接的な原因となって死亡したと思われる例も存在し、その割合は全体の一割程度と推測されています。

これらの突然死の原因も分かっていませんが肺や心臓、脳に症状が発生し何等かの連鎖反応が起こり心肺停止に至るものと推測されています。
中には脳波のモニタリング中に発生した例も有り、それによると自律神経系の遮断が発生し引き続いて、一過性の無呼吸が発生し続いて徐脈が起こり一過性の心静止がみられた後、最終的に無呼吸、心静止、そして心肺停止に至ったという事です。

こういった突然死の例は、二次性全般化発作の患者さんに特に多く見られるという報告もあります。
直接的な死亡原因にもなりうると断言してほぼ間違いありません。但し全体の一割程度です。
それよりも、自動車事故や階段からの転落事故や駅のホームから線路へ転落した等の死亡例が圧倒的に多く、危険な病気である事は間違いありません。
発症年齢は非常に幅広く乳幼児からお年寄りまで発症例が有ります。

少し前の統計では、ほとんどの症例は子供の時期に発症しているという統計も存在しましたが、高齢化が進んでいる現代では年を取ってから発症するという例も多く見られるようになってきています。
しかし、症状を抑える事が出来る薬剤があり、それらをちゃんと服用していれば症状を抑える事が出来、死亡に至る原因となる事もほとんど無くす事が出来るのです。
上記のような症状が出た場合は早めに専門医にかかり、しかるべき処方を受けて下さい。なお診断にあたっては症状を正確に把握する必要があります。
意識障害や失神が伴っている場合には本人は症状が説明できない事も多いので、そういった場合には必ず目撃者の方も連れて診察に行かれて下さい。

また一部の薬剤は発作を起こしやすくする事 が知られています。
抗うつ薬、抗精神病薬、気管支拡張薬、抗菌薬、局所麻酔薬、鎮痛薬、抗腫瘍薬、筋弛緩薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド剤等は発作を起こしやすくする物質を含んでいる事が有るので、別の疾患で病院に行く時や薬局で薬を買う時は、自分はてんかん持ちである事を医師や薬剤師に事前に伝えてから、処方を受けるなり薬を買うようにして下さい。
これらの薬剤の全てが誘因作用を持つのではなく、これらの薬剤が含んでいる一部の成分が誘因となっているので、それらが入っていない薬剤であれば問題はありませんので、そのような薬剤にしてもらって下さい。

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